誰でも出来るお金の増やし方

誰でも出来るお金の増やし方

お金が嫌いな人、いませんよね

転落物語

 

 

こんにちは。

健伍です。

 

今日はとある友人の話を紹介したいと思います。

 

その友人は今年で社会人5年目。わたしより年齢がひとつ上です。

地方の中心都市出身で大学を卒業した後、就職のため上京してきました。

仮にブラックくんとしておきましょうか。

 

ブラックくんとの出会いは就活中。わたしも就活中。

そうです、ブラックくんは大学の卒業直前まで、就職先が決まっていませんでした。

 

ブラックくんが見ていた業界はスポーツジム。しかもそれだけ。

業界の絞り方が異様なまでに狭いですよね。

他の業界も見たらいいのに、とアドバイスしましたが、彼は頑なでした。

 

そんなこんなで、ようやく3月の終わりに就職先が決まったそうで、

とあるスポーツジムで働き始めました。

 

新しい住まいは東西線沿線の千葉県のシェアハウス。

家賃は2万と格安だったみたいです。

 

しかし、ブラックくんが晴れて就職した会社は所謂ブラック企業でした。

なんと社会保険料やらを一切払ってくれない。

たいてい会社負担分がありますが、それがなかったのです。

さらに、社内研修もすべて自己負担。

 

ブラックくんは嫌気がさして、早々にスポーツジムをやめました。

「自己負担だった社内研修も今でも踏み倒している、俺すげー」

これが彼の語り草です。

 

そのあとは、バイトを掛け持ちしながら、新しい職を探していました。

ようやく新しい職が見つかりましたが、社員食堂の派遣でした。

ブラックくんは管理栄養士の資格をもっており、その資格を活用したかったみたいです。

 

わたしは正社員になることを勧めていましたが、やはり募集があるのは営業か接客。

ブラックくんはそれらが嫌で派遣の道を選びました。

ブラックくんの悪い癖は選り好みすることでした。

 

さらに、ブラックくんは思い付きで引っ越しを決めました。

そのときブラックくんが挙げていた理由は以下の三つ。

今となっては言い訳にしか聞こえません。

 

①新しい職場が、ブラックくんの住んでいるシェアハウスから遠い。

前の職場を基準にしたので、当然と言えば当然かもしれないですね。

東西線がよく遅延する

有名ですよね。

③シェアハウスの住人といざこざを起こす

一番の理由はこれでした。というかこれだけかもしれないです。

 

そんなこんなで、ブラックくんは引っ越しをはじめました。

「シェアハウスはもうこりごりだ!」とアパートを探し始めました。

 

しかし、浪費体質のブラックくんは貯金がほとんどありません。

それなのに新しい家電を一式揃えました。

シェアハウスだったので、ブラックくんはテレビしか持っていなかったからです。

ブラックくんが決めた新しい家は、家賃が5万円後半です。

これまでのシェアハウスのほぼ倍です。

入居する際は敷金も礼金も家賃の前払いもあります。

 

当たり前のように、ブラックくんはお金が全く足りませんでした。

わたしは、「家族に借りたらどうか?」と提案しましたが、

家族との関係が冷え切っており、半ば家を飛び出すように上京してきた彼には

家族に相談する余地がありませんでした。

 

結局、ブラックくんはクレジットカードに頼ることにしました。

家電一式は運よく家電量販店の分割手数料無料キャンペーンを利用し、

さらに新生活応援セットで思ったより安く済ませることができました。

 

その後、無事、ブラックくんは埼京線沿線の埼玉県に引っ越ししました。

なんとか金策で乗り切ったつもりでいたブラックくんでしたが、それが間違いでした。

 

案の定、支払が滞ってしまいました。

返済しなければならないことをすっかり意識せず、クレジットカードで借金を増やしていたのです。

実は、ブラックくんに対し、クレジットカード会社から、度重なる催促が来ていました。

それでもブラックくんはとことん無視し続けた結果、ついにクレジットカードを使用停止になってしまいました。

つまり、ブラックリスト入りしてしまいました。新しいクレジットカードは数年作れません。

 

未払い金は債権会社へ移され、取り立てがはじまりました。

ブラックくんは消費者金融でその場しのぎのお金を借り、返済していきました。

このころからブラックくんはリボ払いを多用するようになりました。

 

仕事の方は、というと、しっかり社員食堂で派遣社員として働いていました。

しかし、引っ越ししたことにより、以前より都心に出やすくなったため、

浪費癖が止まりません。

さらに「遊ばないと人間関係が薄れる」、という謎の信念のもと、

拵えた借金をロクに返さず、遊んでいました。

さっさと返した方が、返す金額も少なく済むのにね。

 

そんなブラックくんは給料を少しでも増やそうと、深夜に飲食店でバイトをはじめました。

たまたま社員食堂は残業が一切なかったのです。

(※本当は残業代込の給料だったが、支配人の計らいで残業がなかったらしいです)

あんなに飲食店で働くことを嫌がっていた彼ですが、

都心ではなく住んでいる埼玉県にある飲食店でバイトをはじめたのです。

 

とはいえ労働時間が増えたので、ブラックくんの給料は増えました。

ただ、時給換算すると余裕で1000円を切っていました。

社員食堂とバイト先の2箇所で働いていたため、

確定申告をしなければならないことをどや顔で語っていたのが忘れられません。

 

わたしは浪費癖を改めて貯金するように再三アドバイスを送りました。

バイトもできている今が一番貯金できるはずだ、と。

その成果もあって、ブラックくんは債権会社に移った未払い金を完済し、

20万円を貯金するまでに至りました。

 

しかし、長時間労働がたたり、体調不良となり、結局バイトをやめてしまいました。

 

さらに、社員食堂では派遣先とのやりとりに嫌気がさし、

また食堂を利用する自分と同じ年代の正社員に嫌気がさし、

やめてしまいました。

 

転職先が決まって辞めたのかと思えば、なんと、まだなにも決まっていないと言うのです。

 

ブラックくんはついに失業状態となりました。

頑張って貯めた20万は、新しい仕事が決まるころには底をついていました。

しかも、失業手当の受給資格があるのにも関わらず、申請していなかったことに

新しい仕事が決まってから気づいたそうです。

 

ブラックくんは転職活動中、大学の食堂を狙っていたのですが、職歴が短い彼は内定できませんでした。

さらに、アウトソーシング系の製造業にも興味を示していましたが、かなり人気で書類審査すら通らなかったそうです。

お決まりの「営業は嫌だ」、「飲食は嫌だ」という理由で、その手の会社にはひとつも応募しなかったそうです。

選り好みしている場合じゃないことに気付くべきですよね。

ブラックくんは、「仕事の募集があっても、社会人3年か4年そこそこで、職歴もすでに2社、しかも派遣、となると転職が難しいと転職アドバイザーに言われた」とぼやいていました。

そんな事態を招いたのもブラックくん自身なんですけどね。

ブラックくんはよく「社会のせいだ!」と言っていました。

 

さらに悪夢は続きます。

新卒で入社したときの未払いの社会保険料の督促のはがき(黄色)がきたのです。

未払いだったことは認識していたそうですが、これまた無視していたのです。

督促のはがきには2種類あり、ブラックくんが受け取ったのは警告の黄色。

これを無視していると次に届くのは赤色。これは強制執行されてしまいます。

ブラックくんは慌てて、クレジットカードを経由させて社会保険料を支払いました。

かの有名なnanacoチャージですね。

しかし、nanacoへのチャージはお得意のリボ払いです。

 

さて、新たに決まったのは、社員食堂の派遣でした。

なにひとつ以前と変わっていません。

通年2か月分のボーナスが出るようになりましたが、残業が多くなりました。

以前のように飲食店でバイトをすることもままなりません。

ブラックくんは転職したことで、給料は減ってしまいました。

 

このブラックくんに新たな動きがあったのが今年。

金策尽きたブラックくんは、両親と家族会議をした結果、実家へ帰ることになったのです。

今年の3月で社員食堂の仕事をやめ、引き払うとのこと。

 

夢見て上京し、得たものは借金と傷ついた信用履歴。

そんなブラックくんの上京物語は4年で幕を下ろしました。

しかし、一筋縄に幕が下りないのがブラックくん。

 

実家に住むと、ブラックくんの部屋は狭すぎるのです。

今の一人暮らしの家財道具が多すぎるため、処分するよう父親に言われたそうです。

さらにブラックくんの大好きなテレビゲームも実家に持ち込むことを禁止されました。

 

これらの制限に反発したブラックくんは実家に住むことをやめ、

実家のある地方都市のシェアハウスに住むことになりました。

地方都市とはいえ、日本有数の大都市。家賃は5万円です。

せっかく固定費を減らすチャンスだったのに、みすみすと逃してしまいました。

 

さらに、社員食堂の仕事はやめることになりますが、

地方都市での新しい仕事は未だ見つかっていないとのこと。

さらにさらに、引っ越し業者が人手不足というニュースがありましたが、

ブラックくんもそのとばっちりをもろに受け、引っ越し業者が捕まらず、

レンタカーで引っ越しするそうです。

ただ、そのレンタカーも確保できていないらしいです。

さらにさらにさらに!

引っ越し資金やシェアハウスの初期費用を払うために10万円が足りないという事態。

前述のとおり、両親をあてにできないため、消費者金融から借りるそうです。

それにしても、次の仕事が決まるのも時間がかかりそうですよね。

また失業手当を受給するのを忘れそう。

 

東京を離れる最後の最後まで話題の欠かないブラックくん。

お金が足りないというわりに、今月は2回も泊まりでスノボに行っていました。

借金してまで遊ぶその根性がすごいですよね。

 

ちなみに、同年代で自分より稼いでいたり、たくさん遊んでいたり

そういう人たちと遊ぶことが多いそうです。

それはそれで自分と比較してしまい、ストレスが溜まるのだとか。

遊ばなければいいのにね、借金してまで。

 

上京してきて晴れて就職という方、結構いらっしゃると思います。

でも、東京は欲望の街。

自分自身を律することができないと、ブラックくんみたいに飲み込まれてしまいますよ。

ちなみにブラックくん、奨学金は借りていません。

 

わたしは"奨学金が返済できずに困窮する"というニュースを聞くと眉唾でしかありません。

ブラックくんのように自分勝手な浪費で自分で自分の首を絞めてるのではないでしょうか。

 

私立大学を奨学金と生活費を有利子で借りて、卒業し、めでたくこの春から社会人になる友人(新卒くんと呼びましょうか)がいます。

この新卒くん曰く、「奨学金を借りていたら、意識が働くから、(ブラックくんのように)困窮することもないんじゃないか」と話していました。

確かに、新卒くんは結構しっかりしているので、わたしもこいつなら大丈夫だろうと思えるのですが、

どうして "奨学金が返済できずに困窮する"というニュース"が流れるのでしょうか。

 

経済状況の違いで、学びの場が得られないのは何かしら対策すべきだ、という意見には賛同しますが、

奨学金を借りて困窮する人が多いから、大学教育を無償化すべきだ、という意見には賛同しかねます。

 

あとは日本ではあまり機能しなくなりつつなると言われている、家族というセーフティーネット

家族との関係は良好であるに越したことがないです。

 

 

というわけでかなり長くなりましたが、ブラックくんのお話いかがでしたか。

こんな風にならないよう、気をつけてください。