【コラム】陸マイラーって本当に意味がありますか?
目次
- ■はじめに
- ■陸マイラーと空マイラー
- ■そもそもどうしてマイルを貯めるの?
- ■陸マイラーの三種の神器はソラチカルート、中継サイト、ポイントサイト
- ■魅惑のポイントサイトの案件
- ■錬金術のデメリット
- ■わたしは陸マイラーになることをやめました
■はじめに
陸(おか)マイラーを陸(りく)マイラーだと思っていました。健伍です。
巷で陸マイラーという言葉を聞く機会が増えた気がしませんか。
■陸マイラーと空マイラー
陸マイラーの消費行動は以下の通りです。
まず、日常の買い物やポイントサイトの案件でポイントを貯めます。
そのポイントを航空会社のマイルに交換します。
交換で貯めたマイルで、航空会社の特典旅行券に引き換えます。
つまり、飛行機に乗らずにマイルを貯めて、航空便のチケット代に充てようというライフスタイルです。
空マイラーは飛行機に乗ってマイルを貯める人です。
マイラーに正邪もありませんが、空マイラーが王道だとすれば、陸マイラーは邪道になるかもしれません。
■そもそもどうしてマイルを貯めるの?
さて、マイルを貯める理由として、陸マイラーのブロガーさんが共通して書いていることは、「マイルは価値が高い」というものです。
一般的に1マイルは最低でも2円の価値があると言われています。
この2円の根拠は簡単です。
マイルを特典航空券に交換した際、エコノミークラスの必要マイル数と本来の通常料金を比較すると、だいたいどの路線でも1マイル=2円くらいになりますよ、ということです。
エコノミークラスではなく、ビジネスクラスやファーストクラスになるとさらにマイルの価値はあがります。国内線より国際線の方がマイルの価値はあがります。
陸マイラーのみなさんは、クレジットカードやポイントサイトでせっせとポイントを貯めています。
それらのポイントは、ソラチカルートやLINEポイントルートと呼ばれる交換方法で、比較的高レートでマイルに交換しています。
陸マイラーのブログを見ると、必ずその方法を紹介しています。
■陸マイラーの三種の神器はソラチカルート、中継サイト、ポイントサイト
例えば、
STEP1
有名中継サイト(ポイントサイトでもあります)「ドットマネー」のマネーへ他のポイントサイトで貯めたポイントを移行する。たいてい1:1です。
※中継サイトとは、ポイントを交換する交換所の役割をしているサイトのこと。
STEP2
「ドットマネー」のマネーから東京メトロのメトロポイントへ移行する。
ここも1:1。
STEP3
ソラチカカードというクレジットカードを持っていると、メトロポイントをANAマイルに1:0.9のレートで交換できる。
このルートをソラチカルートと呼んでいます。
つまり、ポイントサイトでもし1万ポイントを貯めたとすると、このソラチカルートで9,000ANAマイルに交換できるということになります。
ポイントサイトで貯めたポイントはたいてい1ポイント=1円で現金として銀行口座に振り込むこともできます。
しかし、ソラチカルートでANAマイルにした場合、9,000ANAマイルに変貌します
。先ほどの1マイル=2円の公式に当てはめると、18,000円相当に価値が増えたことになります。
■魅惑のポイントサイトの案件
ポイントサイトでは年会費無料のクレジットカードを発行するだけで、10,000円分のポイントがもらえる案件が転がっています。
以前このブログでも紹介しましたが、ネスカフェアンバサダーを申し込むと、24,000円分のポイントがもらえてしまいます。
ポイントサイトを利用すると、原資なしでしかもソラチカルートを経由さえすれば、簡単にANAマイルが手に入るので、この手法はブログを通じて拡散されました。
ちなみに、JALマイルはどう頑張ってもキャンペーンがない限り、ポイントサイトのポイントからJALマイルに交換する際のレートは1:0.55程度です。
ANAマイルに比べるとレートが悪いので、ANA派の陸マイラーが増殖しました。
ANAの特典航空券が取りにくくなったのは、陸マイラーが増えたことが要因ともいわれています。
陸マイラーのブログのネタは、ポイントサイトの案件紹介→ポイントサイトへの登録勧誘の流れになっていますよね。
■錬金術のデメリット
話だけを聞いていると、現代の錬金術のようにも映るこの陸マイラー。果たして本当にお得なのかなという疑問がわたしには沸いてきました。
実際、わたしも陸マイラーになって、マイルを貯めようかと思った時期もありました。
しかし、次にあげるデメリットが大きすぎると判断したため、陸マイラーにはなりませんでした。
デメリット1:ソラチカルートはいつ封鎖されてもおかしくない。
ソラチカルートができた当初から、メトロポイントからANAマイルへの交換は上限が設けられていました。
そして、ついに今年3月いっぱいで、LINEポイント以外から交換したメトロポイントをANAマイルに交換することができなくなります。
つまり、ポイントサイトで貯めたポイントをドットマネー経由で、メトロポイントに交換しても、ANAマイルに交換できなくなってしまうのです。
LINEポイントが唯一残ったので、辛うじてなんとかなっていますが、完全封鎖も時間の問題ではないかと言われています。
このように、改悪リスクが常につきまといます。
デメリット2:そもそもそんなに飛行機に乗りますか?
ただでさえ陸マイラーの増殖で、年々取りづらくなっているANAの特典旅行券。
ANAの上級会員ならまだしも、一般会員なら人気路線はクリック合戦になってします。
さらに「マイルを貯めたから、飛行機に乗る」という状態になっていまい、目的と手段が逆転するのではないか、と感じたのです。
そもそも、飛行機だけ乗れても、旅行するならホテルも必要だし、食費だってかかります。
ハイシーズンなら特典航空券もなかなか取れないでしょうし、マイルで航空会社系列のホテルを取ったとしても、割高ですよね。
ハイシーズンでなくでも、おそらくパック旅行の方が安上がりになるのではないかなと思います。
つまり、わたしはマイルを貯めてもそれを使うためにさらにお金がかかるな~ということ。
生憎、わたしは転勤しており、満足に旅行もできない地方です。
しかも、東京便はANAが就航していない。JALならあるけれど、マイルをためて特典航空券をわざわざ交換するよりも、早割で買った方がいいに決まっています。
残念なことにせっせと交換したマイルには期限があります。
上級会員になれば期限はありませんが、わざわざ陸マイラーになる人でどれだけ上級会員の方がいるのでしょうか。
わたしはANAに乗る機会があまりありません。
東京に帰るときはJALです。
また、地方に転勤中なので、国内旅行でも一度東京を経由しなくてはならないケースが多いです。
わざわざそこまでして旅行する気になれないのが本音です。
いずれ都内へ帰任するわけですし、馬鹿みたいに乗り継いでまで旅行したくないなと。
デメリット3:陸でマイルを貯めても上級会員にはなれない
航空会社には上級会員が用意されています。
その判定方法は正規料金でどれだけ飛行機に乗ったか、です。
特典航空券で飛行機に何度乗っても、上級会員になることはありません。
上級会員になる条件は正規料金でどれだけ飛行機に乗ったか、です。
このことが示すように、特典虚空券狙いの陸マイラーは航空会社からしたら、そこまで歓迎されるお客様ではないわけです。
ただ、陸マイラーを目指しながら、上級会員を目指している方も多いですよね。
たいてい上級会員を目指すために飛行機に乗っているパターンです。
もはや節約がしたいのかなんなのか、本来の目的を見失っているような気がしてなりません。
■わたしは陸マイラーになることをやめました
というわけで、現時点ではわたしは陸マイラーにならなくていいという結論に達しています。
節約の観点から、わたしは日常使いがしやすい楽天ポイントやTポイントを貯めています。
貯めたポイントで消耗品が買えたり、急な外食で使えたりするるのは節約になりうると考えたからです。
地方勤務が終わり、都内へ帰任したら、思う存分旅行したいと思っているので、陸マイラーになるのは急がなくていいやと思っています。
あまり急いでもマイルには有効期限がありますので。
とはいえ、やっぱり楽しそうですよね。陸マイラー。上級会員にもなってみたいなーとも思う日もあります。
航空会社の上級会員に代表される、ステータスはある意味でコンプレックス産業だなと感じたわけでした。